日本ではそれほど知名度がないのに、韓国人が殺到しているお店が鳥取にあるのを知っていますか?
そのお店とは、キムチ専門店でも、K-POP専門店でもなく、日本人が経営するパン屋さんなんです!
マルクスの資本論に基づいた経営理念で天然酵母パンを作り続けるパン屋タルマーリーとは?店主で経営者の渡辺格さんとはどんな人物なのでしょう?
パン屋タルマーリーについて
韓国からのお客さんが100人以上殺到したというタルマーリー。
正直いって初めて耳にする名前なのですが、韓国での知名度が高いのでしょうか?
このタルマーリーを訪れた韓国人の中には、ここで働かせてください!という人まで出たそうですが、山奥の小さなパン屋さんに、どんな魅力が詰まっているのでしょう??
タルマーリーは2008年、千葉県のいすみ市に夫婦で開業したパン屋さんでしたが、2011年3月に発生した東日本大震災をきっかけに、現在の鳥取県へ移転をします。
タルマーリーのパンは、自然栽培にとことんこだわって作られたパンばかりで、通常は発酵に使われる砂糖も無添加。
そして基本の材料は国産小麦と地元の水と、塩だけなのだそうです!
生地の発酵に使う天然菌は地域の天然菌を使うため、その日の気温や、スタッフの気分によってもそのはたらきが左右されるのだとか!!
コンビニなどで見かける菓子パンは、成分表示に正体がわからないカタカナが並んでいますが、タルマーリーのパンの成分表示はシンプルなんですね!
食品添加物に敏感な人にとっては、重宝されるパンになりそうです!
渡邉格のプロフィール
名前:渡邉 格(わたなべ いたる)
生年月日:1971年(44歳か45歳)
出身地:東京都東大和市
学歴:千葉大学・園芸学部園芸経済学科
職業:パン職人
東京生まれ東京育ちの渡邉さんは、高校の時に一度、ドロップアウトをしてフリーター生活を送っていたことがあるそうですね!
パンクバンドをやりながら引っ越し屋のバイトを続け、将来に夢など持てなかった時期を過ごしたという渡邉さん。
当時は自分も、周りの友人たちと同じようにトラックの運転手になるのだろうと思っていたそうです。しかし23歳の時に大学教授だった父に伴いハンガリーへ渡った渡邉さん。
その時の生活で農業に興味をもつようになり、一念発起して25歳で千葉大学の園芸学部園芸経済学科に入学します!
フリーターを経て25歳で大学に入学するなんて、なかなかできるもんじゃないですよね!
卒業後は有機野菜の卸売り販売の会社に就職します!しかし、有機農業の発展という理想に燃えて入社した渡邉さんの前に、理不尽な現実が待ち受けていました。
具体的にどんなことがあったのかについては言及していませんが、会社組織に入れば、理不尽なんて日常茶飯事ですよね……。
筆者の友人が得意先の顧客に「幻の赤とんぼをうちの息子のために取ってきてやってくれ、そしたらいい値で契約するから」と言われて悶絶していたのを思い出しました。
幻の赤とんぼって何やねん!?
話が横にそれましたが、30歳でパン職人になることを決めた渡邉さんは、パン屋で修業を始めます!
渡邉さんが独立するまでに4軒のパン屋で修業を積んだそうですが、1軒目のパン屋では朝から晩までボロボロになるまで働きづくめだったそうです。
パン屋さんの朝って早そうですもんね!
その時の経験から、どうしてこんなに働かされ続けるのか? なぜ給料が上がらないのか?という疑問につながったといいます。
そして、父に勧められたマルクスの資本論を読んだことで、渡邉さんの作るパン屋の経営の方向性が決まったといいます……。
著書が韓国で人気!
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こちらが今、話題になっている渡邉格さんの著書「田舎のパン屋が見つけた腐る経済」です!
パン屋さんがビジネス書を書いた?と首をかしげる人も多いかもしれませんが、内容はとても深いようです!
筆者もつい、アマゾンでポチっと購入してしまいました!
なぜタルマーリーには、韓国人の熱狂的ファンが多く訪れるのか?それはこの本のヒットが深くかかわっていました!
パン屋の視点で経済のありかたを考えたこの著書が、韓国で大ヒットしたのです!
韓国では『田舎のパン屋で「資本論」を焼く』という翻訳をされて出版されたこの本。
1年ほどで3万部を売り上げ、ソウル市内で著者を招くイベントも行われましたが、そのイベントには100人以上のファンが集まったそうです!
本の内容は、マルクスの資本主義について触れながら、資本(お金)に振り回されている現状の社会と、そこで著者が感じた矛盾をわかりやすく記してあるようです。
利益を追求する資本主義社会では、いくら労働者が頑張っても、資本は資本家の元に流れていく構図が出来上がっている。
商品も食べ物も腐るのに、お金だけは腐らない。
世界中で当たり前のように進んでいる資本主義の社会は、食も職もおかしくしている……この本から発せられるその叫びに、韓国の人たちは強く共感したのかもしれません。
店の場所やお取り寄せは?
山奥でその里山の素材を生かして作られるタルマーリーのパン。
直接足を運んで出来立てを味わいたいところですが、お店の場所は?お取り寄せはできるのでしょうか?
タルマーリー イートインカフェ
住所:〒689-1451鳥取県八頭郡智頭町大字大背214番地1
電話番号:0858-71-0106
定休日:火曜・水曜・木曜
このイートインカフェでは、手作りの窯で焼かれた自家製酵母のピザや、クラフトワインに、自然栽培のコーヒーなどを楽しむことができます。
鳥取は遠いわ……という人には、お取り寄せができればうれしいですが……残念ながら、現在は通販サイトが休止中のようです。
どうしても食べたい!という人は、ゴールデンウィークの行き先を鳥取にするのがベストですね!